Medyでの質問に回答しました

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♯2榊原すずみの「La diversité」は、質問にお答えします。

2022/8/29

SDGsの「気候変動」に関する部分は地球温暖化など、少し前から言われていた部分で最近ではレジ袋の有料化などあると思っているのですが、他に今すぐ政府などが解決すべき課題などはありますか?
まだ質問リクエストをしていないにもかかわらず、ご質問ありがとうございました。本当にうれしかったです。
読んでくださっている方とこういう形でコミュニケーションがとれるのは、ほかのツールと違って、楽しいなとしみじみと感じました。
というわけで、第2回目・榊原すずみの「La diversité」はいただいた、上記のご質問について、私なりの考えを書いてみることにしました。
たしかにレジ袋の有料化は、生活者はお店の方たちの負担・手間が増えることになるので、とても注目を集めた話題になりました。エコバック需要を生み、新たな消費活動につながったともいえるかもしれません。
ですが、このレジ袋の有料化は、多くの専門家も言っていましたが「いま地球は大変な危機に直面していて、このままではいけない」「私たち一人ひとりが毎日の生活の中でできることがある」ということを国民に伝え、考えさせるためのきっかけ、つまり啓蒙活動に過ぎません。効果としては、それほど大きいとはいえないでしょう。
また実際にどれくらいレジ袋の利用が減ったのか、どのような(どれくらいの)人が有料でも使いつづけ、どんな(どれくらいの)人がエコバックに切り替え、その結果どんな効果があったのか、どれほど社会にインパクトを与えることができたのかなどのデータを政府は出していません。個人的には、そちらのほうが問題というか、日本政府の抱えている課題なのだはと感じています。
さて、ご質問の「他に今すぐ政府などが解決すべき課題」ですが、これはたくさんありすぎて、ここには書ききれないほどだと思います。そして、「今すぐ」に国が政策を打ち出しても、その結果が出はじめるまでには時間もかかります。だから、今の日本
日本だけでは世界各国)は解決すべき課題ばかりを抱えていると言えるでしょう。
たくさんありすぎるので、今回はいくつかに絞って書かせていただこうと思います。
まずは「貧困」と「格差」です。
シングルマザー、就職氷河期世代で非正規雇用なため収入が少ない人、物価はあがっているにもかかわらず、お給料は上がらない経済状況など……。そんな中で日々の生活、食べるものすら困っている人は少なくありません。
また昨今のコロナ禍で職を失った人、利益・収入が激減した人もいます。
その一方で、企業の内部留保は膨れ上がり、一部の企業、一部の役職の人たちは多くの収入を得ている。
この格差がどんどん進んでいることは、私なんかが指摘しなくても皆さんご存じのことと思います。
いまの日本政府が、この「貧困」と「格差」の問題に実効性がある政策を打ち出しているとは到底感じられません。
先ほどの気候変動などサステナビリティやSDGs、エシカルに関連するプロダクトは、そうでないものより高価なものがほとんどです。「貧困」が問題になっている今の日本で、サステナビリティやSDGs、エシカルに自分も役に立ちたいけれど、経済的に余裕がないと感じている人もいます。すると、どうなるでしょう?サステナビリティやSDGs、エシカルとは無縁の安いプロダクトを買わざるを得ない国民が大多数であれば、日本はサステナビリティ後進国になってしまいます。
また、サステナビリティやSDGs、エシカルなプロダクトを生み出すには、新しい技術や素材の開発、そのための研究、その研究をするための研究者が必要不可欠です。そして各企業、研究機関が行うにはそのために莫大な資金が必要になります。国として、予算を投入するべき課題を政府はきちんと考えているのか、疑問です。
そして2つ目は「教育」です。日本には多くの差別が存在します。下手をしたら、差別を受けている人は、日に日に増加しているのが現実だと私は体感しているほどです。
パワハラやセクハラといったハラスメントも、一向になくなりません。
サステナビリティやSDGs、エシカルについての深い理解、プロダクトを選ぶ際に何を基準にすべきか、何が差別でハラスメントなのか、そもそも人を傷つけることというのがどういうことなのか、日本ではきちんと学校教育が行われていません。
こういったことに課題意識を持っている方々、団体がさまざまな取り組みを行ってはいます。それはとても意義のある活動です。でも限界もあります。
だからこそ、政府が学校教育のなかで、何をどのように子どもたちに教えていくか政策を打ち出すことが重要なのです。
教育によって、蒔かれた種が育ち、花が咲き、実り、森になっていくには膨大な時間がかかります。でもこれをしなければ、何も変わりません。
今の日本が抱えているあらゆる課題を解決するために、今すぐにでも現在の「学校教育」に対して政策を打ち出してほしいと考えています。
そして最後の課題は「日本政府自体」ではないでしょうか?
私は1977年生まれの45歳。社会の常識も、テクノロジーも、経済を取り巻く状況も、人々の働き方も、そしてなにより日本が抱えている課題がめまぐるしく変化していくのを体感してきました。
それに対して、政府はどう対応してきたのか?
私は政府が打ち出してきた政策のほとんどが、課題の解決につながってこなかったと確信しています。
つまり「日本政府の打ち出す政策自体」「日本政府自体」が課題なのです。
この課題を解決するには、私たち国民が政府をきちんと監視して、予算の使い方、政策の中身、打ち出すべき政策の方向性について厳しい声を挙げていくしかありません。
選挙という、国民が持つ最大の武器で「国」「政府」という課題を解決していかなくてはならないのです。
さまざまな課題を抱えている今の日本ですが、もしかしたら最後の「日本政府自体」という課題が解決されれば、劇的な変化が起きるのかもしれません(それに期待してがっかりすることも予測はできますが、動かないと何も変わらないですから!)。
だから読者の皆さんと一緒に、この榊原すずみの「La diversité」を通じて、少しでもつながりを広げて、できるだけ多くの課題が顕在化し、解決への一歩が踏み出されることに期待をしています。
こんなんで、お答えになっているでしょうか?
みなさん、読者の人も交えて「こんなことを考えてみたい」ということがあれば、ぜひ質問リクエストしてください。
そして、こうしてこの場を通じて、みんなで考えていきましょう。
質問をしてくださった方、本当にありがとうございます。

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